- 2026年5月6日
HbA1cとは?
HbA1cとは
HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは、
過去1〜2か月の血糖値の平均的な状態を示す検査値で、糖尿病の診断や治療効果の判定に用います。
血糖値が「その瞬間の値」であるのに対し、HbA1cはこれまでの血糖コントロールの状態を反映する指標です。
HbA1cの正常値・基準値
一般的な目安は以下の通りです。
- 正常:5.6%未満
- 境界域(予備軍):5.6〜6.4%
- 糖尿病の可能性:6.5%以上
糖尿病治療中の方は、HbA1c 7.0%未満を目標とすることが一般的です。
※年齢・合併症・低血糖リスクにより個別に調整します
HbA1cと血糖値の違い
| 血糖値 | HbA1c |
|---|---|
| その時点の血糖値 | 過去1~2か月の血糖コントロール状況を反映 |
| 食事や運動で変動する | 食事・運動による瞬間的な影響を受けにくい |
| 現在の高血糖や低血糖を把握できる | 長期的なコントロール状況を評価できる |
つまりHbA1cは、「日々の血糖の積み重ね」を反映する指標です。
HbA1cの仕組み
HbA1cはヘモグロビンというタンパク質にブドウ糖が結びついたものです。ヘモグロビンは赤血球の中に含まれるタンパク質の一つで、酸素を運ぶ働きをしています。
ヘモグロビンを含む赤血球の寿命は約120日で、その間ヘモグロビンは血管をめぐり続け、血液中のブドウ糖と結びつきます。いったん結びつくと、ブドウ糖はヘモグロビンからなかなか離れません。そのため、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高いほど、HbA1cは高くなります。
ヘモグロビンは毎日少しずつ寿命を迎えては新たに生まれるので、HbA1c も入れ替わり、赤血球の寿命の半分にあたる約2か月間の血糖値が全体として高めであったか低めであったかがわかるため、血糖コントロールの指標となります。
HbA1cが高いとどうなる?
HbA1cが高いということは、血糖値が高い状態が少なくとも数か月は続いているということです。さらに、HbA1cが数年にわたって高い状態であれば血糖値がずっと高く続いていることになります。
血糖値が高い状態が続くと、体のいろいろな部分に障害が出てきます。それが慢性合併症です。
| 細小血管障害 | 大血管障害 |
|---|---|
| 糖尿病神経障害 | 狭心症や心筋梗塞 |
| 糖尿病網膜症(失明の原因) | 脳梗塞 |
| 糖尿病腎症(透析の原因) | 足の壊疽 |
HbA1cの解釈に注意が必要な方
貧血の人、腎不全で透析療法を受けている人、肝硬変がある人などは、赤血球の寿命が短くなっている可能性があります。赤血球の寿命が短いとHbA1cは見かけ上低くなります。
これらの人では、血中に多く含まれるアルブミンというタンパク質にブドウ糖が結合した「グリコアルブミン」を測定します。グリコアルブミンは過去2週間という短い期間の血糖値が全体として高めであったか、低めであったかの指標になります。
まとめ
HbA1cは、これまでの血糖コントロールの積み重ねを反映する最も重要な指標の一つです。
日々の生活習慣や治療の結果が数字として表れるため、定期的に確認しながら無理のない範囲で目標値を目指すことが、合併症予防につながります。