高血圧・脂質異常症

当院では、高血圧と脂質異常症に対し、心筋梗塞や脳卒中、腎機能障害、閉塞性動脈硬化症など合併症予防を重視した診療を行います。血圧やコレステロール値の数字だけでなく、本当に大事な心臓や血管を確認して治療にあたります。動脈硬化リスクを総合的に判定し、生活習慣の指導や薬物療法を行います。また、必要に応じて二次性疾患の鑑別・精査も行い、原因を見極めます。

高血圧とは

安静時の血圧が 140/90mmHg 以上の状態を高血圧といいます。多くの方は無症状ですが、長い間放置すると血管に負担がかかり、動脈硬化が進行します。その結果、心筋梗塞・脳梗塞・脳出血・心不全・腎機能障害・大動脈瘤など、命に関わる病気を引き起こすことがあります。

高血圧の原因

高血圧には、原因が特定できない本態性高血圧と、背景に治療が必要な別の病気がある二次性高血圧に分けられます。
二次性高血圧は、原発性アルドステロン症・甲状腺疾患・副腎疾患などの内分泌疾患、腎動脈狭窄、睡眠時無呼吸症候群などが代表的で、血圧に関わるホルモンの過剰分泌により血圧が上昇します。原疾患を治療することで血圧改善が期待できます。当院院長は、内分泌専門医であり、これらの二次性高血圧の評価も専門としています。

当院では、ご家庭での血圧管理に、スマートフォンで簡単に記録ができるアプリ「シンクヘルス」を推奨しています。毎日の血圧データが自動でグラフ化され、来院時に医師と共有できるため、より適切な血圧管理につながります。

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当院での検査

血液・尿検査により、適切な降圧薬の選択とその副作用の確認、腎機能障害の程度を確認します。心電図検査や胸部レントゲンで心疾患のスクリーニング検査を行います。必要に応じ、頸動脈エコーや心エコー検査、二次性高血圧が疑われるときにはホルモン検査も行います。

治療について

一般的には、診療室血圧130/80㎜Hg未満、家庭血圧が125/75mmHg未満が治療目標です。ただし、高齢の方では、副作用やふらつきを避けるため、年齢・体調に合わせておひとりひとりにあった目標設定が必要です。

**表*75歳以上の高齢者の健康・機能状態によるカテゴリー分類と降圧指針*****

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カテゴリー1 カテゴリー2 カテゴリー3 カテゴリー4
自力で外来通院可能なADL(生活の質)が保たれた人 外来通院に介助が必要な手段的ADLが低下した人 外来通院が困難となった基本的ADLが低下した人 エンド・オブ・ライフの人
全身的状態 健常~フレイル フレイル~要介護 要介護 エンド・オブ・ライフ
手段的ADL 保持 低下 高度低下
基本的ADL 保持 保持~低下 低下 高度低下
降圧目標 <130/80mmHg 収縮期血圧
<140mmHg
合併症などにより
<130mmHg
とするか個別で判断する
収縮期血圧 <150mmHg
合併症などによるそれ以上の降圧の要否は個別に判断するが収縮期血圧
<120mmHg
への降圧は避ける
個別判断
(目安は収縮期血圧140~160mmHg)
その他の方針 非高齢者と同様の治療方針 収縮期血圧<120mmHgで降圧薬の減量を考慮 降圧薬の減量・中止も考慮(未治療の場合、新たに降圧治療は行なわない)

① 生活習慣の改善

高血圧治療の基本は減塩で、日本高血圧学会では食塩制限(可能であれば1日6g未満)が推奨されています。これを実践するには、醤油など調味料を「かける」よりも「つける」、味付けを工夫する(酢、レモン、ショウガ、ニンニク、ごま、青じそ、出汁を使用する)、味噌汁は1日1杯、加工食品(ソーセージ、ハム、ベーコン、ちくわなど練り物、カップ麺)を減らす、などがあげられます。
体重を適正に保つことも重要で、無理のない範囲で適度な運動を継続することが血圧安定につながります。また、節酒や禁煙も大きな効果があります。
これらを続けることで、軽症の方では薬を使わずに血圧が正常化するケースも少なくありません。例えば、入院中には、普段高血圧に対して降圧薬を服用されている方でも、減塩された病院食を食べていると、入院中に降圧薬が不要になることがよくあります。

② 薬物療法について

薬は、血圧、年齢、合併症の有無によって適切なものを選択します。
当院では、血圧を下げる主な薬:アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNI)、ミネラルコルチコイド拮抗薬(MR拮抗薬)、利尿薬、β遮断薬などの中から、患者さんの病態に合った、薬剤を一つあるいは組み合わせて治療を行います。
特に、糖尿病・心臓病・腎機能障害 をお持ちの方は、降圧薬の種類によって将来の合併症リスクが変わるため、それぞれの病態に適した薬を選びます。

降圧薬の種類と考慮する病態

降圧薬の種類と考慮する病態

当院の高血圧診療の特徴

  • 家庭血圧の測定・記録方法を丁寧にサポートします。
  • 原発性アルドステロン症や甲状腺・副腎疾患など、内分泌疾患による二次性高血圧の評価に対応しています。
  • 専門医による、糖尿病・脂質異常症を含めた総合的な生活習慣病管理が可能です。
  • 必要に応じて頸動脈、心臓、腎臓の精査を実施します。

高血圧の方へ

高血圧は自覚症状が乏しいですが、放置すると血管が硬くなり、重大な合併症を引き起こす可能性があります。早期に受診し、治療を継続することで、心臓・脳・腎臓の合併症を予防することができます。ご自身やご家族で、血圧が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。